原題
Prognostic Significance of MRI-Defined Sarcopenia in Patients with Nasopharyngeal Carcinoma: A Propensity Score Matched Analysis of Real-World Data.
背景:本研究の目的は、上咽頭癌(NPC)に対して同時化学放射線療法(CCRT)±誘導化学療法(IC)を受けている患者の生存に及ぼすMRIスキャンで定義したサルコペニアの影響を検討することであった。
方法:ステージII-IVaのNPC患者1,307人を対象に後ろ向き研究を行った。サルコペニアは、C3レベルでベースラインMRIによって決定された骨格筋指数(SMI)を使用して測定された。Cox回帰モデルおよび傾向スコアマッチング(PSM)分析を使用して、サルコペニアと全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)との関連を評価した。BMIおよび治療戦略に基づいて層別解析も実施した。
結果:サルコペニアはOSとPFSの両方の独立した危険因子であることが明らかになった。しかし、BMIはOSおよびPFSと有意に関連していなかった。サルコペニア患者は非サルコペニア患者と比較してOSおよびPFSの割合が低かった。層別解析により、過体重は非サルコペニア患者においてのみ予防効果を有することが明らかになった。サルコペニアの存在は、治療法にかかわらずOSおよびPFSに影響を及ぼさなかった。
結論:ルーチンのMRIスキャンで測定したサルコペニアは、NPC患者の重要な予後因子であり、転帰の予測においてBMIよりも優れている。サルコペニア患者は、追加のIC療法の恩恵を受けない。
Journal: Radiother Oncol (CiteScore 2022: 10.5)
DOI: 10.1016/j.radonc.2023.109904
PMID: 37678624
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