GI間質腫瘍におけるKIT ATP結合ポケット/活性化ループ突然変異:キナーゼ阻害薬エスケープの新たなメカニズム。

原題
KIT ATP-Binding Pocket/Activation Loop Mutations in GI Stromal Tumor: Emerging Mechanisms of Kinase Inhibitor Escape.
背景:消化管間質腫瘍(GIST)におけるイマチニブ耐性は、重大な治療上の課題となっている。リプレチニブは二次的なKIT突然変異の影響を制限するが、後期治療における有益性は限られており、耐性の機序はほとんど解明されていない。
方法:リプレチニブに耐性のある25人の患者の耐性変異の配列を決定した。それらの遺伝子型は、新規細胞モデルおよびインシリコモデリングを用いて評価した。
結果:リプレチニブで上昇していたのは、既存の活性化ループ(AL)変異と頻繁に結合し、高度に耐性のあるAP/AL遺伝子型を形成する二次的なATP結合ポケット(AP)変異を有するGISTであった。リプレチニブとスニチニブは、二次的なAPまたはAL変異体を有する混合クローンに対して相乗作用を示すが、AP/AL遺伝子型に対しては効果がない。
結論:後期GISTでは、KIT腫瘍形成が残っている。KIT阻害薬を併用することで耐性を抑制することができるが、リプレチニブ治療後にKIT AP/AL変異が出現したことから、阻害薬を開発するための新たな戦略が必要である。
Journal: J Clin Oncol (CiteScore 2022: 39.6)
DOI: 10.1200/JCO.23.01197
PMID: 38408285

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