進行非淡明細胞型腎細胞癌に対する一次治療としてのペムブロリズマブとレンバチニブの併用(KEYNOTE-B61):単群多施設共同第2相試験。

原題
Pembrolizumab plus lenvatinib as first-line therapy for advanced non-clear-cell renal cell carcinoma (KEYNOTE-B61): a single-arm, multicentre, phase 2 trial.
背景:ペムブロリズマブ+レンバチニブなどの免疫療法をベースとした併用療法は、淡明細胞型腎細胞癌の標準治療となっているが、非淡明細胞型腎細胞癌に対する有効性は十分に解明されていない。本研究は、進行非淡明細胞型腎細胞癌に対する一次治療としてのペムブロリズマブ+レンバチニブの有効性と安全性を評価することを目的とした。
方法:KEYNOTE-B61試験は、14カ国48施設で実施された第2相試験である。未治療のステージIV非淡明細胞型腎細胞癌の成人患者を登録し、ペムブロリズマブとレンバチニブを投与した。主要評価項目は、客観的奏効が確認された患者の割合とした。
結果:登録された患者158名のうち、78名(49%)に客観的奏効が確認された。治療関連の有害事象は一般的であり、高血圧が最も多かった。治療関連の重篤な有害事象は患者の20%に発生し、5%は治療に関連しない有害事象により死亡した。
結論:ペムブロリズマブとレンバチニブの併用は、進行した非淡明細胞型腎細胞癌において持続的な抗腫瘍活性を示し、許容可能な安全性プロファイルを示した。この併用は、これらの患者に対する第一選択の治療選択肢と考えることができる。
Journal: Lancet Oncol
DOI: 10.1016/S1470-2045(23)00276-0
PMID: 37451291

感想
stage 4のRCCに対しての臨床試験は複数あり、現在は
axitinib + pembrolizumab (KEYNOTE-426試験)
cabozantinib + nivolumab (CheckMate 9ER試験)
lenvatinib + pembrolizumab (CLEAR試験 (KEYNOTE-581/307))
の3つが第一選択になっている。いずれのレジメンも、根拠となった第3相試験での適格は淡明型(cc)RCC(もしくはclear cell componentを含むRCC)の患者となっており、non-ccRCCの患者のみを対象とした臨床試験は報告されていなかった、と思う、自信がないですが。
non-ccRCCへの化学療法のエビデンスはcRCCに比べ乏しいが、もともとccRCCもnon-ccRCCも区別せずに全身治療がおこなわれてきたこともあり、cabozantinib + nivolumabなどは使用可能になっていたところに、この試験の結果が公開された。
RCCの70-85%がccRCCなので、non-ccRCCの患者のみで第3相試験を行うのは困難だと思うので、単群の第2相試験ではあるが、lenvatinib + pembrolizumab療法の有効性が確認できたことは意義深いと思う。
pembroは2年間の投与だが、Lenvatinibは2年を超えても内服が勧められるみたい。

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