フィセチンは、結腸直腸癌細胞における変異KRAS誘導YB-1シグナル伝達の非標的性を克服し、放射線誘発DNA二本鎖切断の修復を阻害することによって放射線感受性を改善する。

原題
Fisetin overcomes non-targetability of mutated KRAS induced YB-1 signaling in colorectal cancer cells and improves radiosensitivity by blocking repair of radiation-induced DNA double-strand breaks.
背景:KRAS変異とYボックス結合蛋白1(YB-1)の過剰発現は結腸直腸癌(CRC)で一般的である。p 21活性化キナーゼ(PAK)ファミリーはYB-1シグナル伝達を調節する。フラボノイド化合物であるフィセチンはYB-1シグナル伝達を阻害する。本研究の目的は、KRAS変異状態に関係なく、CRC細胞におけるDNA修復を標的とし、放射線感受性を増強する効果的なアプローチを見出すことである。
方法:KRASの活性と変異状態を決定した。YB-1活性に対するRSKおよびAKT(DT)、フィセチン、FRAX486(PAK阻害薬)、およびエルロチニブ(EGFR阻害薬)を標的とする効果を、様々なアッセイを用いて試験した。
結果:エルロチニブは、KRAS変異条件下ではYB-1リン酸化またはDSB修復に影響を及ぼさなかった。DTおよびFRAX486は、YB-1リン酸化およびDNA修復経路を効果的に阻害した。フィセチンはYB-1リン酸化を阻害し、DNA修復を阻害し、放射線感受性を増加させた。
結論:フィセチンと放射線療法の併用は、KRASの状態に関係なく、CRCにおける放射線反応を増強する可能性がある。
Journal: Radiother Oncol (CiteScore 2022: 10.5)
DOI: 10.1016/j.radonc.2023.109867
PMID: 37634766

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