原題
Glycyrrhetinic acid mitigates radiation-induced pulmonary fibrosis via inhibiting the secretion of TGF-β1 by Treg cells.
背景:放射線誘発肺線維症(RIPF)は胸部腫瘍に対する放射線療法の一般的な副作用である。現在のところ、RIPFに対する効果的な予防または治療法はない。本研究は、グリチルレチン酸(GA)がRIPFに対して防御できるかどうかを検討し、その根底にある機序を明らかにすることを目的とした。
方法:本研究では、RIPFマウスモデルを用いてGAの効果を評価した。Treg細胞、MLE-12細胞、およびマウス胎児線維芽細胞を用いた共培養実験を実施し、GAの作用機序を検討した。さらに、Treg細胞をGA処理RIPFマウスに注射して、TGF-β1およびTreg細胞の役割を検証した。
結果:GA処理は、照射マウスにおいて、肺組織損傷を改善し、コラーゲン沈着を減少させ、Treg細胞浸潤、TGF-β1レベル、上皮間葉転換(EMT)、および筋線維芽細胞(MFB)形質転換を阻害した。in vitro実験では、GAおよびTGF-β1阻害薬は、TGF-β1を減少させることにより、Treg細胞誘導性のEMTおよびMFB形質転換を阻害することが示された。さらに、Treg細胞の再注入は、TGF-β1レベルを上昇させ、GA処理マウスのRIPFを悪化させた。
結論:GAは、Treg細胞によるTGF-β1誘導性EMTおよびMFB形質転換を阻害することにより、RIPFを治療するための有望な治療候補である可能性がある。
Journal: Int J Radiat Oncol Biol Phys (CiteScore 2022: 11)
DOI: 10.1016/j.ijrobp.2023.08.005
PMID: 37586613
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