原題
An Elastase-inhibiting, Plaque-targeting and Neutrophil-hitchhiking Liposome Against Atherosclerosis.
背景:好中球細胞外トラップ(NET)は脆弱なプラークとアテローム性動脈硬化症の形成に重要な働きをしている。本研究では、Sivelestat(SVT)と呼ばれる薬剤を用いてNETを阻害する新しい治療戦略を検討する。
方法:研究者らは、SVTの有効性を高めるために、プラーク標的化および好中球ヒッチハイクリポソーム(cRGD-SVT-Lipo)を開発した。このリポソームは、様々な細胞の表面に見られるペプチドとインテグリンανβ3との相互作用を利用して、cRGDペプチドをSVT負荷リポソームに結合させることによって作成された。
結果:cRGD-SVT-Lipoの適用は、好中球をヒッチハイクしてアテローム性動脈硬化プラークに到達させ、プラーク面積を減少させ、好中球エラスターゼ活性を効果的に阻害することによってアテローム性動脈硬化の進行を制限することができた。
結論:この研究は、エラスターゼ阻害剤であるSVTを独自に設計されたシステムを介して効率的に送達することにより、アテローム性動脈硬化症のような好中球関連疾患に対する有望な治療戦略を提供する。
Journal: Acta Biomater (CiteScore 2022: 17)
DOI: 10.1016/j.actbio.2023.11.020
PMID: 37984628
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