肝細胞癌に対する免疫チェックポイント阻害薬と抗血管新生療法の併用療法による放射線療法。

原題
Radiotherapy with Combination Therapy of Immune Checkpoint Inhibitors and Anti-Angiogenic Therapy for Hepatocellular Carcinoma.
背景:抗血管新生療法と併用した免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は、進行した肝細胞がん(HCC)の治療には限られた効果しかない。本研究は、進行期HCC患者におけるICIと抗血管新生併用療法の治療成績に及ぼす放射線療法(RT)の影響を検討することを目的とした。
方法:第一選択治療としてICIおよび抗血管新生療法を受けた進行期HCC患者194名の医療記録を分析した。併用療法から8週間以内にRTを受けた患者をRT群に割り付け、RTを受けなかった患者を非RT群に割り付けた。選択バイアスを最小限に抑えるため、傾向スコアマッチング(PSM)を用いた。
結果:PSM後、29の一致した患者ペアが生成された。無増悪生存期間(PFS)中央値は、RT群で8.3ヵ月、非RT群で4.2ヵ月であった(p<0.001)。全生存期間(OS)中央値は、RT群では達成されず、非RT群では9.7ヵ月であった(p=0.002)。客観的奏効率(ORR)はRT群の方が高かった(75.9%対24.1%、p<0.001)。疾患制御率(DCR)はRT群で100%、非RT群で75.9%であった(p=0.005)。 結論:ICIおよび抗血管新生療法にRTを追加すると、進行期HCC患者の疾患制御率および生存転帰が改善し、安全性プロファイルも満足のいくものであった。 Journal: Int J Radiat Oncol Biol Phys DOI: 10.1016/j.ijrobp.2023.07.001
PMID: 37433375
Open Access

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