サイクリン依存性キナーゼ1の阻害によって達成された膵癌の放射線感受性の増強。

原題
Enhanced radiosensitivity of pancreatic cancer achieved through inhibition of Cyclin-Dependent kinase 1.
背景:膵管腺がん(PDAC)における放射線抵抗性は依然として重要な課題である。本研究は、放射線療法に対するPDAC細胞の感受性を高めるために、サイクリン依存性キナーゼ-1(CDK1)を標的とすることに焦点を当てている。

方法:本研究では、TCGA PDACデータベースからの解析と組み合わせて、放射線抵抗性PDAC細胞株の質量分析およびリン酸化プロテオミクスを実施した。誘導可能なshRNA系を用いてCDK1発現を阻害し、同所性PDACモデルを用いて、選択的阻害剤RO-3306によるCDK1阻害の有無にかかわらず、放射線感受性を試験した。

結果:リン酸化CDK1レベルの上昇は、PDAC患者の全生存率の低下と相関していた。CDK1の阻害は、PDAC細胞における腫瘍増殖を遅延させ、放射線感受性を高めた。

結論:CDK1を標的とすることは、PDACの放射線抵抗性に有意に影響し、PDAC治療におけるCDK1ベースの戦略の可能性を示している。
Journal: Radiother Oncol (CiteScore 2022: 10.5)
DOI: 10.1016/j.radonc.2024.110531
PMID: 39270987

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