MONALEESA第III相進行乳癌試験の統合ctDNA解析。

原題
Pooled ctDNA analysis of MONALEESA phase III advanced breast cancer trials.
背景:第III相MONALEESA試験では、HR+/HER2-進行乳癌の治療において、CDK4/6阻害薬であるリボシクリブと様々な内分泌療法を併用した場合の有効性と安全性を検討した。本研究は、進行乳癌におけるこの薬剤の最大のバイオマーカーデータセットを用いて、リボシクリブに対する患者の反応に対する潜在的なバイオマーカーを同定することを目的とした。
方法:次世代シーケンシングを用いて、MONALEESA試験の患者から採取したベースラインの循環腫瘍DNAを分析した。遺伝子変化の状態と無増悪生存期間との間の相関分析を実施して、リボシクリブ反応の潜在的なバイオマーカーを同定した。
結果:ERBB2、FAT3、FRS2、MDM2、SFRP1、およびZNF217を含む、いくつかの頻繁に変化する遺伝子が発見された。これらの遺伝子変化は、プラセボと比較して、リボシクリブによる無増悪生存期間の改善と関連していた。一方、腫瘍の突然変異負荷が高く、ANO1、CDKN2A/2B/2C、およびRB1に変化がある患者では、リボシクリブに対する感受性が低下していた。
結論:さらなる研究が必要であるが、これらの知見は、リボシクリブに対する治療反応に関連する遺伝子変化について貴重な洞察を提供する。これらは、CDK4/6阻害薬で進行した後に実行可能な変化を来した患者における治療順序付けの指針として役立つ可能性がある。これらの潜在的なバイオマーカーのさらなる検証およびそれらの臨床的有用性を評価するプロスペクティブ試験が推奨される。
Journal: Ann Oncol (CiteScore 2022: 63)
DOI: 10.1016/j.annonc.2023.08.011
PMID: 37673211

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