原題
Interaction between neutrophil extracellular traps and cardiomyocytes contributes to atrial fibrillation progression.
背景:
心房性細動(AF)は、心臓血管合併症に関連する一般的な心臓リズム障害である。好中球細胞外トラップ(NET)は好中球から放出されるDNA断片であり、種々の心血管疾患に関与している。本研究は、AFにおけるNETの役割を理解し、AFの進行と分泌に及ぼす影響を検討することを目的とする。
方法:
同研究者らは、心筋細胞のアポトーシスおよびミトコンドリア損傷に対するNETの影響を調査した。また、進行中の心拍障害とNET分泌との関係も調査した。さらに、本研究では、NET形成の促進におけるAF関連ホルモンであるAng IIの役割を検討した。
結果:
その結果、NETは心筋細胞のアポトーシスを誘導し、ミトコンドリア機能を破壊して活性酸素種の産生を促進することにより、ミトコンドリア損傷を引き起こすことが明らかになった。進行中の心拍障害は心筋細胞の喪失を引き起こし、好中球からのNETの放出を誘発した。Ang IIは、AKTリン酸化と呼ばれるタンパク質の活性化を介してNETの形成を促進した。
結論:
本研究は、AFにおけるNETの形成と効果についての洞察を提供する。この研究は、NETがAFおよび関連する線維症の進行に寄与することを示している。NET形成の背後にあるメカニズムと心筋細胞への影響を理解することは、AFを管理し、関連する合併症を減少させるための新しい戦略につながる可能性がある。
Journal: Signal Transduct Target Ther (CiteScore 2022: 31.5)
DOI: 10.1038/s41392-023-01497-2
PMID: 37491321
Open Access
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