切除可能なステージIIIAまたはIIIB(T3N2)の非小細胞肺癌の中国人患者に対するネオアジュバントカムレリズマブ+プラチナ製剤ベースの化学療法対化学療法単独:TD-FOREKNOW無作為化臨床試験。

原題
Neoadjuvant Camrelizumab Plus Platinum-Based Chemotherapy vs Chemotherapy Alone for Chinese Patients With Resectable Stage IIIA or IIIB (T3N2) Non-Small Cell Lung Cancer: The TD-FOREKNOW Randomized Clinical Trial.
背景:切除可能なステージIIIAまたはIIIBの非小細胞肺癌(NSCLC)に対する術前補助療法としてのcamrelizumabと化学療法の併用の有益性は不明である。
方法:この第2相臨床試験では、切除可能なステージIIIAまたはIIIBのNSCLC患者を、術前補助療法としてのカムレリズマブと化学療法の併用群または化学療法単独群のいずれかに無作為に割り付けた。一次エンドポイントは病理学的完全奏効(pCR)率であり、二次エンドポイントには他の奏効率、無イベント生存率、および安全性が含まれた。
結果:治療を受けた88人の患者のうち、pCR率は化学療法単独群と比較してカムレリズマブ+化学療法群で有意に高かった。主要な病理学的奏効率および客観的奏効率も、カムレリズマブ+化学療法群で高かった。
結論:化学療法にカムレリズマブを追加すると、切除可能なステージIIIAまたはIIIBのNSCLC患者のpCR率が改善され、副作用も管理可能であった。
Journal: JAMA Oncol (CiteScore 2022: 44.3)
DOI: 10.1001/jamaoncol.2023.2751
PMID: 37535377
Open Access

感想
OpenAccessなので本文も確認した。
Camrelizumabというのは免疫チェックポイント阻害薬の一つで、
humanized, selective immunoglobulin G4-κ monoclonal antibody against PD-1
だそうです。進行期NSCLCに対して、non-SqでもSqでも、CBDCA+PTXもしくはCBDCA+PEMに対して上乗せ効果が証明されています。せっかくだからその試験もサイトに載せておこう。
今回は切除可能の3期肺癌に対して、術前nab-PTX+CDDP (or CBDCA or ネダプラチン)への上乗せ効果を見た試験。
pCR率 32.6% vs 8.9% (OR,4.95;95%CI,1.35-22.37;P = .008)
1年Event-free survival率 93% vs 76.9%
だったみたい。
似たような試験としては、CheckMate 816試験がある。これは術前のプラチナダブレットに対するNivolumabの上乗せ効果を見たもの。エンドポイントは今回の試験とほぼ同じ。
pCR率 24.0% vs 2.2%
1年Event-free survival率 76.1% vs 63.4%
観察期間中央値が、CheckMate 816試験の方が長いし人種も違うので、成績を比較することはできないが、抗PD-1抗体の上乗せによって、pCR率の改善や治療成績の向上につながることは確からしい。
術前ケモラジとの今後の棲み分けが気になります。


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