原題
A multicenter retrospective analysis of patients with salivary gland carcinoma treated with postoperative radiotherapy alone or chemoradiotherapy.
背景:本研究は、高リスク唾液腺癌(SGC)患者に対して、術後化学放射線療法(POCRT)が術後放射線療法(PORT)単独と比較して良好な転帰を示すか否かを検討することを目的とした。
方法:2000年から2015年の間にPORT(n=263)またはPOCRT(n=148)を受けた外科的に切除されたSGCの411人の患者をこの多施設後ろ向き研究に含めた。本研究では、カプランマイヤー解析およびコックス比例ハザード回帰モデルを用いて、臨床パラメータと転帰との相関を解析した。
結果:生存者の追跡期間中央値は10.9年であった。全体として、PORTに同時化学療法併用を追加しても、全生存期間、無増悪生存期間、または局所領域コントロール(LRC)は改善されなかった。しかし、POCRTはPORT単独と比較して、リンパ節転移を有する患者の10年全生存期間およびPFS率を有意に上昇させた。術後の肉眼的残存腫瘍(R2切除)は、全生存期間、PFS、およびLRC率の低下と関連していた。重要なことに、POCRTはR2切除または腺様嚢胞癌(AdCC)を有する患者の10年LRC率の上昇と関連していた。多変量解析では、POCRTはリンパ節転移陽性患者では全生存期間およびPFSが優れ、R2切除またはAdCCを有する患者ではLRCが優れていると予測した。
結論:外科的に切除されたSGCに関して、POCRTは、リンパ節転移を有する患者における長期全生存率およびPFSの改善、およびR2切除またはAdCCを有する患者における優れたLRCと関連していた。
Journal: Radiother Oncol (CiteScore 2022: 10.5)
DOI: 10.1016/j.radonc.2023.109891
PMID: 37659659
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