原題
Radiation nephropathy: Mechanisms of injury and recovery in a murine model.
背景:放射線腎症(RN)は放射線治療(RT)の晩期合併症であり、重篤な腎障害を引き起こす可能性がある。最近の研究では、RTが腎足細胞を破壊し、細胞死と腎機能の喪失をもたらすことが示されている。
目的:RT誘発腎機能障害と足細胞および糸球体機能の変化、ならびに糸球体基底膜(GBM)の変化との関連を検討すること。
方法:C57BL/6マウスを照射し、腎機能、糸球体ろ過率(GFR)、糸球体組織、及びGBMの超微細構造変化を評価した。
結果:RTは、10週目から腎機能の持続的な変化をもたらし、40週目まで回復しなかった。変化は用量依存的であり、分割投与後に機能温存は観察されなかった。RT誘発性腎機能障害は、GBMの拡大、足突起幅の増加、GFRの低下、足細胞の喪失、および腎線維症と関連していた。
結論:この研究は、GBMの拡大が放射線損傷の結果であることを明らかにし、GBMの配列の乱れが足細胞死とRT誘発腎機能障害に寄与する可能性があることを示唆している。
Journal: Radiother Oncol
DOI: 10.1016/j.radonc.2023.109813
PMID: 37468066
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