アンドロゲン受容体およびTP53シグナル伝達に焦点を当てた、炭素イオンおよび光子照射に対する前立腺がん細胞のトランスクリプトーム応答。

原題
Transcriptomic response of prostate cancer cells to carbon ion and photon irradiation with focus on androgen receptor and TP53 signaling.
背景:放射線療法は前立腺癌の治療に重要であり、炭素イオンは優れた腫瘍内線量分布と健康な組織への損傷が少ないため、光子の有効な代替法となる可能性がある。本研究では、DNA損傷と修復およびアンドロゲン受容体シグナル伝達に焦点を当てて、炭素イオン対光子照射に対する前立腺癌細胞のトランスクリプトーム応答を検討した。

方法:前立腺癌細胞株(LNCaPおよびDU145)を炭素イオンおよび光子照射に供した。DNA損傷を評価し、細胞をアンドロゲン受容体アゴニストで処理し、遺伝子調節およびトランスクリプトームに対する影響を分析した。

結果:両方の細胞株は、照射後のDNA損傷の用量依存的減少を明らかにし、DNA修復を示した。LNCaP細胞ではいくつかの遺伝子アップレギュレーションが生じたが、DU145細胞では照射後の遺伝子調節のレベルが低かった。両方の細胞型ともDNA修復/細胞周期遺伝子のダウンレギュレーションを示した。

結論:光子および炭素イオン照射は、TP53の状態に影響される誘導シグナル伝達およびトランスクリプトーム応答において有意な類似性を示した。しかし、照射モードに依存して独特の遺伝子調節が見出された。さらに、DNA修復および細胞周期に関連する特定の遺伝子は、アンドロゲン受容体シグナル伝達および照射によって一般的に調節されていた。
Journal: Radiat Oncol (CiteScore 2022: 6.6)
DOI: 10.1186/s13014-024-02480-z
PMID: 38956684

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