原題
Organic Matrix Derived from Host-Microbe Interplay Contributes to Pathological Renal Biomineralization.
背景:
マトリックス結石は、ヒドロゲル様有機物を高い割合で含み、尿路感染症に関連する腎臓結石の一種である。本研究は、有機成分と無機成分の間の界面を調べ、これらの結石の形成における宿主と微生物の間の相互作用を理解することを目的とした。
方法:
外科的に摘出したマトリックス結石を、マイクロX線コンピュータ断層撮影および種々の顕微分光法を用いて調べた。アリザリンレッド染色および過ヨウ素酸シッフ染色を用いて、それぞれミネラル密度および有機フィラメントネットワークを同定した。免疫応答関連蛋白質および好中球細胞外トラップ(NET)も分析した。
結果:
高ミネラル密度の薄層はカルシウム結合アリザリンレッドに陽性であったが、低ミネラル密度の薄層は高レベルの多糖類、亜鉛、炭素、および硫黄元素を含む過ヨウ素酸シッフ陽性の有機フィラメントネットワークを示した。NETと免疫応答関連蛋白質もフィラメントネットワークで検出された。
結論:
これらの知見は、宿主の免疫反応が、NETを産生し、多糖に富むムチンの分泌をアップレギュレートすることによって、病原体を捕捉する役割を果たしていることを示唆している。これらの有機マトリックスは、有機および無機成分の凝集を介してマトリックス結石の形成を促進し、宿主免疫応答と腎臓のバイオミネラリゼーションとの間の複雑な相互作用を強調する。
Journal: ACS Nanosci Au (CiteScore 2022: 1.6)
DOI: 10.1021/acsnanoscienceau.2c00060
PMID: 37601921
Open Access
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