原題
Zanubrutinib Versus Ibrutinib in Symptomatic Waldenström Macroglobulinemia: Final Analysis From the Randomized Phase III ASPEN Study.
背景:ASPEN研究では、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)患者を対象に、ザヌブルチニブとイブルチニブの有効性と安全性を比較した。本稿では、本研究の長期追跡結果を紹介する。
方法:この研究には、異なる遺伝子突然変異を有する患者の2つのコホートが含まれていた。コホート1には、骨髄分化一次応答88変異WMを有する201人の患者がおり、102人がザヌブルチニブを投与され、99人がイブルチニブを投与された。コホート2には、骨髄分化一次応答88野生型WMを有する28人の患者がおり、28人がザヌブルチニブを投与され、26人が有効性について評価された。有害事象とともに、様々な奏効率および生存アウトカムが評価された。
結果:44.4ヶ月間(中央値)の追跡調査時に、ザヌブルチニブはコホート1ではイブルチニブと比較して非常に良好な部分奏効(VGPR)+完全奏効(CR)の割合が高く(36.3%対25.3%)、コホート2ではCRが1例(30.8%)であった。特異的変異を有する患者では、ザヌブルチニブはイブルチニブと比較してVGPR+CRの割合が高かった(21.2%対10.0%)。無増悪生存率および全生存率の中央値には達しなかった。下痢、筋攣縮、高血圧、心房細動/粗動などの有害事象はイブルチニブで多くみられたが、好中球減少症はイブルチニブで少なかった。ザヌブルチニブは有害事象に関連した治療中止リスクの低下と関連していた。
結論:ASPEN試験の長期追跡結果から、ザヌブルチニブはWM患者に有効であり、忍容性も良好であることが確認された。イブルチニブと比較して奏効率が高く、安全性も向上している。
Journal: J Clin Oncol (CiteScore 2022: 39.6)
DOI: 10.1200/JCO.22.02830
PMID: 37478390
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