IL-33によって誘発される好中球性炎症およびNETosisは、ライノウイルスによって誘発される喘息の増悪の根底にある。

原題
IL-33-induced neutrophilic inflammation and NETosis underlie rhinovirus-triggered exacerbations of asthma.
背景:
本研究は、リノウイルス感染症による急性ぜん息増悪における好中球細胞外トラップ(NET)の誘導におけるIL-33の関与を検討することを目的とした。
方法:
同研究者らは、慢性実験的喘息(CEA)のマウスモデルを用いて、マウスにライノウイルスを接種し、好中球の存在、サイトカインレベル、NETosisなどの炎症反応を測定した。また、マウスにHpARIを投与してIL-33の放出およびシグナル伝達を阻害し、外因性IL-33を投与してNETosisに対する作用を観察した。さらに、ライノウイルスに感染した喘息患者の鼻サンプルを検査した。
結果:
CEAを有するマウスでは、リノウイルス感染症は好中球、サイトカイン、およびNETosisを主体とする初期の炎症反応を誘発した。これに続いて、異なる炎症マーカーを特徴とする後期相が生じた。両相はHpARIによって遮断され、外因性IL-33によって再現された。IL-33に曝露されたCEAを有するマウス由来の好中球はNETosisを起こし、特定のサイトカインを高レベルで産生した。喘息を有するライノウイルス感染者では、IL-33濃度は好中球エラスターゼおよびdsDNAと相関していた。
結論:
IL-33を遮断すると、好中球の動員およびNET形成を減少させることにより、喘息増悪の重症度を軽減することができる。
Journal: Mucosal Immunol (CiteScore 2022: 15)
DOI: 10.1016/j.mucimm.2023.07.002
PMID: 37506849

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