トリプルネガティブ乳癌におけるTaxane-Anthracycline系薬剤による逐次術前補助療法へのカルボプラチンの追加:第III相ランダム化比較試験。

原題
Addition of Carboplatin to Sequential Taxane-Anthracycline Neoadjuvant Chemotherapy in Triple-Negative Breast Cancer: A Phase III Randomized Controlled Trial.
背景:この第III相試験では、標準的なタキサンアントラサイクリン術前補助療法に週1回のカルボプラチンを追加することで、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)の転帰が改善するかどうかを検討した。

方法:720人の患者を週1回のカルボプラチン(AUC-2)+パクリタキセルを8週間投与し、その後アントラサイクリンシクロホスファミドを4サイクル投与する群と、カルボプラチンを併用しない同じレジメン群に無作為に割り付け、主要評価項目はイベントフリー生存率(EFS)であった。

結果:解析した717例のうち、カルボプラチンはEFSを有意に改善しなかったが(HR 0.80;5年EFS 70.7%対64.1%;p≒.08)、全生存率を改善した(HR 0.74;5年OS 74.4%対66.8%;名目p=.029)。有益性は閉経前の患者に限定され(EFS HR 0.61、OS HR 0.57)、閉経後の患者には有益性は認められなかった。カルボプラチンはグレード3以上の骨髄抑制を増加させた。

結論:術前補助療法に追加されたカルボプラチンはOSを改善したが、全体的なEFSは改善せず、有益性は閉経前のTNBCおよびより高い血液毒性に限定された。
Journal: J Clin Oncol (CiteScore 2022: 39.6)
DOI: 10.1200/JCO-25-01023
PMID: 41115255

コメント

タイトルとURLをコピーしました