未治療のマントル細胞リンパ腫患者におけるイブルチニブとリツキシマブと免疫化学療法の比較(ENRICH):ランダム化非盲検第2/3相優越性試験。

原題
Ibrutinib and rituximab versus immunochemotherapy in patients with previously untreated mantle cell lymphoma (ENRICH): a randomised, open-label, phase 2/3 superiority trial.
背景:ENRICH試験では、未治療のマントル細胞リンパ腫患者60人以上を対象に、化学療法を併用しないイブルチニブとリツキシマブの併用が、標準的な免疫化学療法と比較して転帰を改善するかどうかを検証した。

方法:66施設で実施された無作為化非盲検第2/3相試験;397人の患者を、治験責任医師が選択した免疫化学療法(R-CHOPまたはリツキシマブベンダムスチン)+リツキシマブ維持療法群と、イブルチニブ560 mg/日+リツキシマブおよびリツキシマブ維持療法群に1:1で割り付けた。主要評価項目は、治験責任医師が評価した無増悪生存期間とした。

結果:中央値で47.9ヵ月の追跡調査時に、イブルチニブリツキシマブはPFSを改善した(補正後HR 0.69、95%CI 52-0~0.90、p=0.0034)。効果はR-CHOP(HR 0.37)と比較して強かったが、ベンダムスチンリツキシマブ(HR 0.91)と比較しては強くなかった。グレード3以上の有害事象は同程度であった(約67%対70%)。

結論:イブルチニブリツキシマブはPFSを有意に延長し、高齢のマントル細胞リンパ腫患者に対する新しい一次治療の選択肢である。
Journal: Lancet (CiteScore 2022: 133.2)
DOI: 10.1016/S0140-6736(25)01432-1
PMID: 41052510

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