トラスツズマブ・デルクステカンによる治療を受けたHER 2陽性者またはHER 2低値の乳癌患者を対象とした、遅発性および吐き気持続・嘔吐に対するオランザピンベースの予防制吐療法に関するランダム化二重盲検プラセボ対照第II相試験:ERICA試験(WJOG14320B)。

原題
A randomized, double-blind, placebo-controlled phase II study of olanzapine based prophylactic antiemetic therapy for delayed and persistent nausea and vomiting in patients with HER2-positive or HER2-low breast cancer treated with trastuzumab deruxtecan: ERICA study (WJOG14320B).
背景:トラスツズマブデルクステカン(T-DXd)はしばしば悪心および嘔吐を引き起こす。この研究では、最初のT-DXdサイクルを受ける患者のこれらの副作用を予防する上で、オランザピンベースのトリプレットレジメンの有効性を評価した。

方法:第II相ERICA試験では、HER 2陽性の転移性乳癌患者168人を対象とし、5-HT3拮抗薬およびデキサメタゾンと併用してオランザピンまたはプラセボを投与する群に無作為に割り付けた。

結果:遅延相の完全奏効率は、オランザピン群で70.0%であったのに対し、プラセボ群では56.1%であった(P=0.047)。オランザピンは悪心の発生率および食欲不振も低下させた。

結論:オランザピンと標準的な制吐薬の併用は、T-DXd治療を受けた患者の遅発性および吐き気持続および嘔吐を効果的に予防する。
Journal: Ann Oncol (CiteScore 2022: 63)
DOI: 10.1016/j.annonc.2024.09.001
PMID: 39284382
Open Access

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