原題
Trastuzumab Deruxtecan in Patients With HER2-Mutant Metastatic Non-Small-Cell Lung Cancer: Primary Results From the Randomized, Phase II DESTINY-Lung02 Trial.
背景:この論文では、特定の突然変異を有する転移性非小細胞肺癌(mNSCLC)の以前に治療された患者における異なる用量でのトラスツズマブ・デリュクテカン(T-DXd)の使用を評価する。T-DXdは他の種類の癌で有効性を示しているが、mNSCLCにおける有効性はこれまで評価されていなかった。
方法:DESTINY-Lung02と呼ばれるこの研究は、盲検化された多施設アプローチを含む第II相試験であった。mNSCLC患者には、T-DXdを5.4 mg/kgまたは6.4 mg/kgの用量で3週間ごとに投与した。主要目的は、独立したレビューを用いて客観的奏効率を評価することであった。
結果:計152名の患者をT-DXdのいずれかの用量を投与する群に無作為に割り付けた。追跡期間の中央値は、5.4 mg/kg群で11.5ヶ月、6.4 mg/kg群で11.8ヶ月であった。確認された客観的奏効率は、5.4 mg/kg群で49.0%、6.4 mg/kg群で56.0%であった。奏効期間の中央値は5.4 mg/kg群で16.8ヶ月であり、6.4 mg/kg群では推定不能であった。治療期間は2群間で同程度であった。グレード3以上の薬剤関連有害事象の発現率は、6.4 mg/kg群の方が高かった。
結論:T-DXdは、以前に治療されたmNSCLC患者において臨床的に意味のある反応を示した。安全性プロファイルは許容可能であり、5.4 mg/kgの用量が優先された。
Journal: J Clin Oncol (CiteScore 2022: 39.6)
DOI: 10.1200/JCO.23.01361
PMID: 37694347
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