オンコスタチンM/オンコスタチンM受容体シグナルは、線維芽細胞のSMAD4を調節することによって放射線誘発心臓線維症を誘導する。

原題
Oncostatin M/Oncostatin M Receptor Signal Induces Radiation-Induced Heart Fibrosis by Regulating SMAD4 in Fibroblast.
背景:放射線誘発心臓線維症(RIHF)は、心臓機能を障害する放射線誘発心臓障害(RIHD)の重篤な結果である。RIHDにおけるオンコスタチンM(OSM)とその受容体(OSMR)の関与はよく理解されていない。本研究は、RIHF/RIHDにおけるOSM/OSMRの特異的機構を検討することを目的とした。
方法:研究者らは、RIHDマウスモデルの心臓組織でRNA配列決定を実施した。また、胸部放射線療法(RT)を受けている患者の血清サンプル中のOSMレベルも評価した。さらに、様々な技術を用いて、心臓線維芽細胞およびNIH3T3細胞に対するOSMおよびRTの効果を評価した。さらに、動物モデルを用いて、心臓に特異的にOSMを操作した場合の影響を評価した。
結果:OSMレベルは、胸部RT後の患者の血清中およびRIHFのマウスモデルにおいて上昇した。RT患者では、OSMレベルと心臓被曝線量との間に正の相関があった。OSMRをサイレンシングすると、RIHFマウスの線維症が減少したが、OSMRの過剰発現は線維症反応を増加させた。OSMの増加はまた、SMAD4遺伝子のプロモーター領域におけるヒストンアセチル化(H3K27ac)を促進し、線維症反応を亢進させた。
結論:本研究は、OSM/OSMRシグナル伝達が、放射線誘発心臓線維症およびRIHDの発現を促進するH3K27高アセチル化を介して、心臓線維芽細胞におけるSMAD4転写を促進することを実証した。
Journal: Int J Radiat Oncol Biol Phys (CiteScore 2022: 11)
DOI: 10.1016/j.ijrobp.2023.07.033
PMID: 37610394
Open Access

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