HIT時の膵癌の治療としてのカーボンイオン線治療(CIRT):プロスペクティブ第II相PACK研究の初期放射線計画解析。

原題
Carbon-ion Radiotherapy (CIRT) as treatment of pancreatic cancer at HIT: initial radiation plan analysis of the prospective phase II PACK-study.
背景:
この研究は、異なる放射線生物学的モデルを用いて、ハイデルベルクイオン治療センター(HIT)での前向き第II相PACK研究で使用された線量目標と制約を分析することを目的とした。
方法:
PA CK試験の患者14名の治療計画を分析し、物理的、生物学的用量および用量平均線エネルギー付与(LETd)に関して再計算した。用量計算には異なる放射線生物学モデルを用いた。国立放射線科学研究所(NIRS)の臨床経験から胃腸(GI)管に対する新しい制約を導出し、計画の再最適化を検討した。GI毒性エンドポイントに対する正常組織合併症確率(NTCP)のライマン・カッチャー・バーマン(LKB)モデルを計算した。計算したLETd分布も評価し、局所制御(LC)と相関させた。
結果:
GTVで44 keV/μmを超えるLETdを示した患者は2人のみであった。NIRSの経験から、GI管に対する新しいHIT線量制約が導出された。HITでの標準的な制約と比較して、新しい制約はITVのDを増加させた。NTCP計算は、異なる線量計算に対して消化管出血の確率を示した。
結論:
本研究は、HITで使用された線量目標と制約がCIRTにおける日本の経験と一致していることを示唆している。しかし、消化管に対するより緩和された制約は、腫瘍の被覆率を改善する可能性がある。PACK試験が進行するにつれて、臨床エンドポイントのさらなる解析が期待される。
Journal: Radiother Oncol (CiteScore 2022: 10.5)
DOI: 10.1016/j.radonc.2023.109872
PMID: 37634764

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