原題
Pneumonitis rates before and after adoption of immunotherapy consolidation in patients with locally advanced non-small cell lung cancer treated with concurrent chemoradiation.
背景:
本研究の目的は、同時化学放射線療法(cCRT)を受けている局所進行非小細胞肺がん(LA-NSCLC)患者に対する免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による地固め療法の採用が、症候性肺炎の増加につながるかどうかを調査し、それによって肺放射線量の低減の必要性を支持することであった。
方法:
1つの施設および複数の施設でレトロスペクティブ研究が実施された。ICI統合導入前(ICI時代以前のコホート)または導入後(ICI時代のコホート)にcCRTで治療されたLA-NSCLC患者783人を対象とした。主要評価項目はグレード2以上の肺炎(G2P)、副次評価項目はグレード3以上の肺炎(G3P)とした。統計解析を用いて2つのコホート間で肺炎の発生率を比較した。
結果:
この研究では、ICI時代のコホートでは、ICI時代以前のコホートと比較してG2Pの割合が高いことが明らかになった。1年後のG2Pの累積発生率は、ICI時代のコホートで31.4%、ICI時代以前のコホートで20.1%であった。ICI治療と肺放射線量との間に有意な相互作用はなかったが、G2Pの予測確率は、臨床的に適切な肺放射線量値ではICI時代の方が高かった。カットポイント分析では、ICI時代の肺放射線量閾値は28%であり、これを超えるとG2Pの割合が有意に増加した。G3Pの割合は2つのコホート間で有意差を示さなかった。
結論:
cCRTで治療されたLA-NSCLC患者に対するICI地固め療法の採用は、グレード2以上の肺炎のリスク増加と関連していたが、グレード3以上の肺炎のリスク増加とは関連していなかった。この研究は、ICI地固め療法の使用には、より厳しい肺放射線量の制約が必要であることを示唆している。
Journal: Int J Radiat Oncol Biol Phys (CiteScore 2022: 11)
DOI: 10.1016/j.ijrobp.2023.08.039
PMID: 37619788
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