原題
Randomized Phase II Multicenter Trial of Abiraterone Acetate With or Without Cabazitaxel in the Treatment of Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer.
背景:転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)は治療が困難である。前臨床試験では、mCRPCの治療にカバジタキセルがドセタキセルよりも有効であることが示されている。遺伝子発現プロファイリングにより、循環細胞におけるこれらの薬剤の異なる効果が明らかにされており、mCRPC細胞は特にタキサンに感受性が高い。したがって、カバジタキセルとアビラテロンを併用した先行治療は治療反応を改善する可能性がある。
方法:この第II相無作為化試験は、abiraterone acetate/prednisone(AAP)またはAAP+cabazitaxel(AAP+C)のいずれかを投与されたmCRPC男性81名を対象とした。患者は、ハラビノモグラムを用いて高リスク群と低リスク群に分けられた。本研究では、治療反応とAR-V7状態および循環腫瘍細胞(CTC)のリアルタイム評価との相関関係も検討した。
結果:いずれの治療群も忍容性が良好であった。AAP群では、放射線学的無増悪生存期間(rPFS)中央値は6.4ヵ月、全生存期間(OS)中央値は18.3ヵ月であった。患者の56%で前立腺特異抗原(PSA)が50%以上低下した。AAP+C群では、rPFS中央値は14.8ヵ月、全生存期間中央値は24.5ヵ月であった。この群の男性の92.1%でPSAが50%以上低下した。AR-V7発現もCTC解析も、AAP+Cからより多くのベネフィットを得る患者を特定しなかった。
結論:AAP+Cは、rPFSを改善し、OS期間を延長し、PSA低下の割合を高める安全な治療選択肢である。AAP+Cを連続して投与するのではなく、事前に投与することは、特定のmCRPC患者に有益である可能性がある。この治療アプローチから最も有益となる特定の患者集団を決定するためには、さらなる研究が必要である。
Journal: J Clin Oncol (CiteScore 2022: 39.6)
DOI: 10.1200/JCO.22.02639
PMID: 37582240
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