食道ガンの4次元回転型強度変調放射線治療における横隔膜呼吸運動の線量測定への影響のための新しいシミュレーション。

原題
Novel Simulation for Dosimetry Impact of Diaphragm Respiratory Motion in Four-Dimensional Volumetric Modulated Arc Therapy for Esophageal Cancer.
背景:呼吸時の横隔膜の動きは下部食道癌に対する放射線治療の精度に影響を及ぼす可能性がある。本研究は、仮想4次元コンピュータ断層撮影(v4DCT)画像を用いて、異なる横隔膜の動きパターンが治療精度に及ぼす影響を評価するための枠組みを開発することを目的とした。また、治療に自由呼吸回転型強度変調放射線治療(FB-VMAT)を用いることの実現可能性についても検討した。
方法:本研究では、実際の4次元コンピュータ断層撮影(r4DCT)スキャンを受けた表在性EC患者10名を対象とした。参照として末端吸入CT画像を用いて仮想4DCT画像を作成した。仮想4D放射線療法(v4DRT)の線量を全フェーズにわたって蓄積し、r4DCTスキャンからの横隔膜シフトを適用した。v4DRTを検証するために、臨床標的容積(CTV)への線量をv4DRTとr4DRTの間で比較した。CTV線量修正および脊髄のリスク臓器容積(PRV)マージンの計画に対する横隔膜運動の影響を検討した。v4DRTと参照CT画像で計算した線量との間の線量差のパーセンテージ(ΔDx)を計算した。
結果:r4DRTとv4DRTの間のCTV線量差(ΔDx)は、横隔膜運動が15 mm以下の症例では1%以内であった。5〜15 mmの範囲の横隔膜運動の平均ΔDxは、CTVで0.3%〜1.7%、ΔDで0.1%〜0.4%であった。CTV指数のすべての変化は3%以内であり、ΔDとCord PRVのΔDは1%以内であった。
結論:本研究では、横隔膜運動が15 mm以下の患者におけるCTVの頑健性を評価するための新しい方法を提示する。v4DCTおよびv4DRTを用いるこの方法は、CTVの照射線量分布への影響を最小限に抑えながら、FB-VMATを用いて放射線治療を正確に実施するのに有望である。
Journal: Radiother Oncol (CiteScore 2022: 10.5)
DOI: 10.1016/j.radonc.2023.109849
PMID: 37562552

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