原題
Economic evaluation and budget-impact of accelerated partial breast irradiation (APBI) versus standard or hypofractionated whole breast irradiation (WBI) in postmenopausal women with early-stage breast cancer. Results from the French SHARE randomized trial.
背景:本研究では、フランスの局所再発リスクの低い乳癌患者を対象に、加速部分乳房照射(APBI)の費用対効果を標準または少分割全乳房照射(WBI)と比較して評価した。
方法:本研究では、APBIを受けた女性490人とWBIを受けた女性488人を比較した。フランスの国民健康保険の視点は、3年間の時間軸でとられた。質調整生存年(QALY)をアウトカム指標として用いた。費用対効果比を推定し、確率的ブートストラップ法を用いて不確定性を検討した。輸送費および病気休暇費を感度分析に含め、国家予算影響分析を実施した。
結果:3年後、患者1人当たりの平均費用は、WBI群と比較してAPBI群の方が低かった(2,549ユーロ対4,468ユーロ、p値<0.001)。費用差の主な要因は放射線療法であった。QALYには有意な差は認められなかった。フランスで毎年診断される乳がんの新規症例60,000例中約28,000例がAPBIに適格であり、APBIが完全に採用されれば、年間3000万ユーロの費用削減となる可能性がある。
結論:APBIは早期乳癌の閉経後女性に対する費用削減の選択肢であり、QALYで測定した転帰に差はなかった。
DOI: 10.1016/j.radonc.2023.109818
Journal: Radiother Oncol
URL: https://doi.org/10.1016/j.radonc.2023.109818
PMID: 37480995
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